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ブロックチェーン Symbolとモザイク XYMとは?

次世代のブロックチェーン Symbol(シンボル)とそのモザイク(ネイティブトークン=特定のブロックチェーンで使われることを目的としてつられた通行券的な暗号資産(仮想通貨))であるXYM(ジム)について解説します。XEM(ゼム)からスナップショット、オプトインされた方から、そもそもSymbol(シンボル)とXYM(ジム)って何?って方まで、他のブロックチェーン・暗号資産(仮想通貨)と比較して、その特徴に触れていきます!

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2021年3月17日に最初のブロック(ジェネシスブロック)が生成され、まもなく公開から1年が経つSymbolとXYM!
2022年1月26日にはSymbolを基盤とした新COMSAがローンチされ、同時にNFTマーケットプレイスがリリースされました。たむけんさんの世界初のギャグNFTなど盛り上がりを見せています。

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Symbol(XYM)とは?

Symbol(シンボル)とは、NEM(ネム)のアップデートで誕生したブロックチェーンです。企業や公的機関などエンタープライズのニーズに特化しているという特徴があります。Symbol上で使える暗号資産(仮想通貨)がXYM(ジム)です。

Symbol(シンボル)はもともとNEM(ネム)のブロックチェーンのアップデート案であるカタパルト(Catapault)として構想されました。その後、投票によりSymbol(シンボル)へ名称が変更されました。

「Eigen Trust++」というセキュリティ技術を導入しており、セキュリティの高さにも注目されています。ノード同士が監視・評価を行い、悪質なノードを見極めます。

2022年1月31日時点で、XYMの時価総額は約1140億円、時価総額ランキングは80位の仮想通貨です。

発行上限8,999,999,999
コンセンサスアルゴリズムProof of Stake Plus(PoS+)
発行開始2021年3月
ティッカーコードBTC
考案者NEM Group Limited
オフィシャルサイトhttps://symbolplatform.com/
ホワイトペーパーhttps://docs.symbolplatform.com/

NEM(XEM)とは?

NEM(ネム)は2015年に誕生したブロックチェーン技術を用いた新しい決済・送金プラットフォームです。名前の由来は「New Economy movement」の頭文字です。

Symbol(シンボル)は法人向けであるのに対し、NEM(ネム)が個人向けのブロックチェーンサービスであるという違いがあります。NEM(ネム)上で使える暗号資産(仮想通貨)が XEM(ゼム)です。

NEM(ネム)も「Eigen Trust++」というセキュリティ技術を導入しており、個人でもICOにも対応できるよう設計されています。金融に明るい方なら、東証などで株券を新規に発行するIPO(新規上場)は馴染みがあるかと思いますが、ICOは暗号資産(仮想通貨)を発行して資金調達をすることです。全くの別物ですが、クラウドファンディングに近いイメージです。

NEM(ネム)とSymbol(シンボル)は、2021年12月1日にハードフォークが完了し、永久的にブロックチェーンが分岐し、完全に双方に互換性がない状態となりました。

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ICOといえば、ビットガールズとか覚えてる人いるかな?DJあさにゃん元気かしら?

コンセンサスアルゴリズム

コンセンサスアルゴリズムというのは、簡単にいうとブロックチェーンの計算処理方法の一つです。ビットコイン(BTC)はPoW(Proof of Work)、イーサリアム(ETH)はPoS(Proof of Stake)などがあります。Symbol(シンボル)ではPoS+(Proof of Stakes Plus)というものを採用しています。

PoW(Proof of Work)

PoW(Proof of Work)は多大な計算量を要する問題(=特定の条件を満たすハッシュを探す)を解かせ、解答が早い者にブロックを承認させる方式です。解くと報酬がもらえます(=マイニング)。ビットコイン (BTC)が高騰するとグラボの在庫がなくなるのがコレ。マイナーの皆さんが膨大な計算リソースのために何台ものグラボを使っているから。だから消費電力=電気代もすごい!(冬は暖房いらずですね〜)

PoS(Proof of Stake)

PoS(Proof of Stake)とは、すなわちステーキングしている量(保有量)の多寡で決まります。いわゆる「Rich get richer(富める者がさらに富む)」というものであり、機会均等の観点から公平性に欠いてしまいます。

PoI(Proof of Importance)

そこでNEM(ネム)は、「ステーキング量」、「取引時に支払った手数料の総額」、「ノードを運営しているかどうかといったノードスコア」を重要視したPoI(Proof of Importance)を採用します。保有数や送金頻度などPoLスコアによってインポータンス(重要度)と呼ばれる、それだけ貢献したか、で判断がされます。

PoS+(Proof of Stakes Plus)

Symbol(シンボル)ではPoS+を採用し、PoI(Proof of Importance)だけでなく、チェーン内での活発さや積極性も考慮するようになりました。Pos+は文字通りPoSの進化系です。

XYM(ジム)をステーキングするだけでなく、XYMを使って活発に取引を行なったり、XYM(ジム)の獲得(ハーベスティング)をしたり、それを委任したり、積極性が評価・定量化されることで、XYM(ジム)は「発言権を得るツール」としても重要な位置を占めるわけです。

Symbol(XYM)はPoS+

まとめると、PoS+(Proof of Stakes Plus)では、トークンの保有量を含む以下3つのスコアにより、ブロックを生成するノードが決定されるのです。

  • 保有量が評価対象となる「ステークスコア」
  • 取引量が評価対象となる「トランザクションスコア」
  • ノードの活動が評価対象となる「ノードスコア」

処理速度

他の通貨と比べると圧倒的に処理速度が早いことがわかります。

コンセンサスアルゴリズムが違うため、データの処理速度=取引スピードが高速化しています。もともとXEM(ゼム)も処理速度は早かったのですが、さらに高速化していることがわかります。

ノードとハーベスト

ハーベストとは日本語で「収穫」を意味する言葉です。ビットコインでいうところのマイニングに相当する仕組みで、ブロックの生成を行うことで報酬を受け取ることができます。Symbol(シンボル)のハーベスティングに参加する方法は、以下の3つがあります。

ローカルハーベスティング

ローカルハーベスティングは自身でノードを運営してハーベスティングを行う方法です。3つの方法の中で最も簡単に設定ができる一方、セキュリティに不安があり、安全性に欠けているという欠点があります。Symbol(シンボル)の公式サイトではローカルハーベスティングは推奨しておらず、リモートハーベスティング、デリゲートハーベスティングへの参加を推奨しています。

リモートハーベスティング

リモートハーベスティングはローカルハーベスティング同様、自身でノードを運営してハーベスティングを行う方法です。リモートアカウントと呼ばれるアカウントの作成を行うことで実現します。

デリゲートハーベスティング

デリゲートハーベスティングは上記2つとは異なり、自分でノードの運営をしていなくてもハーベスティングに参加できる方法です。第三者が運営するノードに委任することでハーベスティングに参加し、ブロック生成により発生した報酬の一部を受け取ることができます。自分で運営するノードにも参加ができます。インポータンスによって回数が変わるため、報酬が変わります。

Symbol(XYM)の今後

2022年11月に中東カタールで開催されるFIFAワールドカップでもSymbolが利用されることが発表されています。現地ホテルの建設を管理するプラットフォームでSymbolが利用されることが決まり話題を呼びました。

XEM(ネム)財団のCRO Pedro Gutierrez氏は、Symbol(シンボル)が高度なセキュリティ・スケーラビリティ・速度などの優良技術を要していることから、今後より多くの建設企業等がSymbol(シンボル)を活用していくと発表しており、今後の活用に期待が持てます。

終わりに

いかがだったでしょうか?ブロックチェーンはビットコイン (BTC)だけでなく、多種多様な考えやその支持により発展を遂げています。イーサリアム (ETH)と並び、プラットフォーム型のブロックチェーン であるSymbol(シンボル)とXYM(ジム)のこれからに期待です!