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暗号資産(仮想通貨)とは?概要と歴史について

暗号資産(仮想通貨)ってよく目にするようになったけど、一体なんなの?」と思っていませんか?

ビットコイン(BTC)の価格が高騰しているニュースやテレビCMなどでよく目にするため、暗号資産(仮想通貨)の売買・取引・投資に興味を持って始めてみたい方も少なくないでしょう。

今や暗号資産(仮想通貨)は資産運用としても一般的です。

そこでこの記事では、ビットコイン(BTC)などの暗号資産(仮想通貨)の概要と歴史について解説します。

ブロックチェーンの歴史はビットコイン(BTC)と共にあり!

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10年以上前に生まれた暗号資産(仮想通貨)について解説します!

暗号資産(仮想通貨)の概要

暗号資産(仮想通貨)とは、インターネット上で使えるデジタル通貨で、円やドルなどの法定通貨とは異なり、特定の国家が発行していません。

中央銀行が存在しない

世の中に流通している通貨の大部分は、発行元の政府あるいは中央銀行がその価値を保証しています。

例えば、日本円の1万円であれば、紙にインクで印刷した一万円札に対して、「この紙幣に11万円の価値があることを日本政府が保証する」というお墨付きを与えています。日本銀行券として、国家の裏付けがあるからこそ、一万円札は1万円という信用のある経済的価値のある貨幣として流通しています。

しかし、暗号資産にはそうした国や金融機関による保証がありません。にもかかわらず、代表的な暗号資産であるビットコイン(BTC)は、2022年1月現在、日本円にして1単位あたり約500万円という価値があります。

これは、ビットコイン(BTC)の価値を認める人々がそれだけいるということなのですが、その価値にふさわしい信頼性を持っているということの表れでもあります。

分散型管理(非中央集権)

国や金融機関の保証のない暗号資産が、なぜそれほどの信頼を得て、多くの人々から価値を認められているのでしょうか? その理由のひとつは、暗号資産ならではの分散管理の仕組みが関係します。

非中央集権とは、ネットワークにおける権力が各端末に分散される管理モデルのことです。ネットワークの意思決定は各端末の多数決などで行われるため、民主的とも言えます。一方で従来の金融システムやサーバークライアント方式では、中央管理者が全ての権限を持つため独裁的とも言えます。

例えば、銀行であれば現金は大金庫に収められ、顧客の預金情報はセキュリティをかけたサーバーに保存されます。もしも泥棒やハッカーが現れて、大金庫が破られたり、預金情報が改ざんされたり、そもそも銀行が消失してしまうようなことがあれば、どうすることもできません。

ですが、暗号資産(仮想通貨)の場合、売買取引の情報や、誰がどれほどの暗号資産を持っているかという情報も、ネットワークに接続された不特定多数の端末に分散して記録され、共有されています。

もし仮に一部を改ざんしても、ほかの端末に記録された情報と照合すれば、データを書き換えたことがすぐにわかってしまいます。暗号資産(仮想通貨)はこうした仕組みの上に構築されているために、非常に高い信頼性を実現しているのです。

ブロックチェーン =分散型台帳

暗号資産(仮想通貨)の分散型管理を実現しているのが、分散型台帳とも呼ばれるブロックチェーンの技術です。暗号資産(仮想通貨)の取引情報を暗号化して、いくつかにまとめてブロック化し、それを鎖のようにつなげていくところから、ブロックチェーンと呼ばれています。

(ただし、暗号資産(仮想通貨)の中にはブロックチェーン技術を利用していないものもあるため、すべての暗号資産(仮想通貨)にあてはまるわけではありません)

ブロックチェーンは情報の改ざんに対する強度が非常に高いため、暗号資産(仮想通貨)になくてはならない技術です。

暗号資産(仮想通貨)の歴史

2008年10月に、サトシナカモト(Satoshi Nakamoto)がインターネット上に投稿した論文によって、ビットコイン(BTC)とブロックチェーンは生まれました。

成り立ちはビットコイン

最初に登場した暗号資産は、ビットコイン(BTC)です。2008年10月に、サトシナカモト(Satoshi Nakamoto)と名乗る人物がインターネット上に投稿した論文によって、提唱されました。

日本人男性のような名称ですが、国籍や性別、個人か団体かなどは未だに不明の存在です。

それからわずか3カ月後、2009年1月には、ビットコインの理論を実現するためのソフトウェアがオープンソースで開発され、公開されました。そしてすぐに、ビットコインの最初の取引が行われています。開発者や、この時からビットコインを所有している人たちは、膨大な価値を持ったビットコインを所有していると言われています。

それからおよそ1年後の2010年2月に、ビットコイン両替ができる最初の取引所が誕生しました。そして同年5月、はじめて現実社会でビットコインを使った決済が行われています。

ビットコインではじめての買い物はピザ2枚

ビットコイン(BTC)、つまり、暗号資産(仮想通貨)で初めて買い物をした人物はラズロ・ハニエツ(Laszlo Hanyecz)氏と言われています。ビットコイン(BTC)が誕生しておよそ1年が経った2010年5月22日、彼は1万ビットコインでピザ2枚を購入しました。

このことにより、5月22日は「ビットコインピザの日(Bitcoin Pizza Day)」として知られています。暗号資産(仮想通貨)界隈の人は、毎年この日にピザを食べてお祝いをするそうです。

執筆者

ちなみに、2022年現在、1ビットコインは約5万ドル、2枚のピザは今なら5億ドル(約500億円)に相当します(!!)

暗号資産と仮想通貨の違いは?

「仮想通貨と暗号資産の違いが分からない」という方も珍しくありません。それぞれの違いや意味ってなんなのでしょう。

実は、仮想通貨と暗号資産には違いはありません。もともと仮想通貨だった呼び名が暗号資産が変わったのです。

2019年に政府が仮想通貨の正式名称を「暗号資産」とする旨を発表。そのため、正式名称は、仮想通貨ではなく、暗号資産なのです。

仮想通貨は2019以前に呼ばれていた呼称で、「cryptocurrency」を訳した言葉に過ぎませんでした。つまり、それまで正式名称が定義されてなかったのです。