イーサリアム(Ethereum)で使用されるイーサ(Ether、シンボル:ETH)は、ビットコイン(BTC)に次いで時価総額ランキング2位の知名度の高い暗号資産(仮想通貨)です。
イーサリアム(Ethereum)は、ガス代などコスト高騰の「スケーラビリティ」の問題を長らく抱えており、処理速度がもっと早い他の暗号資産(仮想通貨)がイーサ(ETH)に取って代わるのでは?という声もありますが、その全てはイーサリアム(Ethereum)が元になっていてその思想やロジックを改善しようとする活動でもあると言えます。そして、2022年のアップデートでそれら懸念が解消されそうな期待もあり、ブロックチェーンの始まりであるBTC(ビットコイン)から画期的な思想とロジックでより進化を実現したと言えるイーサ(ETH)について、この記事はご紹介いたします!
筆者も大好きなイーサリアム(Ethereum)!スマートコントラクト、dappsやDefiなどイーサリアム(ETH)が無くしてブロックチェーン技術の発展は無かったと思います。この記事ではイーサリアム(Ethereum)とイーサ(Ether)の両方をご紹介します!
Ethereum(ETH)とは?
イーサリアム(Ethereum)は、2013年にウォータールー大学の学生であったヴィタリック・ブテリンが「Ethereum white paper」を書いたのが始まりです。
その構想はギャビン・ウッドにより学術的な整理がなされ、2014年6月にイーサ(ETH)とビットコイン(BTC)を交換するクラウドセールで18億円相当のビットコイン(BTC)を調達しました。
イーサリアム(Ethereum)の最大の特徴は「スマートコントラクト」技術です。「分散型アプリケーション」(Decentralized Applications、略称dapps)のプラットフォームはこのスマートコントラクト技術があるためです。またイーサリアムのトークン規格ERC20で互換性を持つ暗号資産(仮想通貨)を誰でも発行することができます。テザー(USDT)」やオラクルサービスのチェーンリンク(Chainlink)、バイナンスコイン(BNB)などもERC-20規格で作られた「ERC-20トークンです。
発行上限 | 上限なし |
コンセンサスアルゴリズム | Proof of Work(PoW) |
発行開始 | 2015年7月 |
ティッカーコード | ETH |
考案者 | Vitalik Buterin |
オフィシャルサイト | https://ethereum.org/ |
ホワイトペーパー | https://cryptorating.eu/whitepapers/Ethereum/Ethereum_white_paper.pdf |
スマートコントラクトとは?
スマートコントラクトとは、銀行や証券会社など第三者を介さずに、なおかつ信用が担保された状態で自動的に契約や決済などがされる仕組み・システムのことです。
自動的に売買契約が成立する意味合いで、利用者が商品ごとに決められた額のお金を入れることで売買が成立する自動販売機もスマートコントラクトの一種と言えます。
特徴を3つにまとめます。
- 第三者の人や組織の信用を借りずに直接の手続きで済みコストが削減できる
- 「お金だけ取って商品を渡さない」というようなルール違反や不正ができない
- ルールや条件が一致さえすれば不特定多数の相手との取引も可能
第三者を介さないとできなかったような取引や契約を改ざんされることなく直接手続きできることが大きな特徴です。
dappsとは?
分散型アプリケーション(英: Decentralized Applications、略称: dapps )は中央管理者が存在せずユーザーそれぞれの間で成り立つアプリのことで、トークンはイーサリアム(ETH)など既存のブロックチェーンを利用して発行される暗号資産(仮想通貨)のことを指します。イーサリアム(ETH)はdapps構築するための開発環境を提供するプラットフォームとしての機能があります。
dapps は、企業や政府、銀行などの中央管理者がいなくても、アプリケーションを利用する参加者全員がデータを分散管理することで、仕様変更などの意思決定に関わることができるアプリケーションです。使用言語: SolidityはJavaSriptやC++に似た構文で、開発に参入しやすく多様なサービスが展開されています。
ERC-20とは?
ERC-20(Ethereum Request for Comments)とは、イーサリアムの開発コミュニティ全体の利便性を高める目的で2015年11月19日に誕生した、スマートコントラクトの共通規格です。今まではトークンごとに仕様が違っていましたが、トークンの規格を統一するERC-20が採用されたことで、暗号資産(仮想通貨)取引所のトークンの新規上場などが容易になりました。
- クラウドファンディング:イーサリアムアプリの開発者はときに、クラウドファンディングでプロジェクトの資金を調達する。投資家は公式ローンチ前に新しく作られたトークンを割引価格で受け取ることができる。
- 投票権:トークンはプロジェクトの決定に関する投票に使うことができる。その場合、多くのトークン保有者は、より大きな影響力を持つ。
- 物理的なモノを表す:トークンはゴールド(金)のような資産の所有権を表すことができる。
- 取引手数料:イーサリアムブロックチェーンでの取引には、手数料決済のオプション(選択肢)が含まれている。ネットワークが混雑している場合は、ガス代と呼ばれるネットワーク手数料をより多く支払うことで、より速く取引を行うことができる。
- 新機能:イーサリアムでは、プロジェクトが必要とする機能を満たせないことがある。そのため、開発者は必要な機能を持つ新しいトークン(暗号資産)を作成する。
DeFiとは?
DeFi(ディーファイ)とは、分散型や非中央集権型を意味する「Decentralized」と、金融を意味する「Finance」を組み合わせた「Decentralized Finance」の略です。金融機関を介さずにコストが低く居住地を問わず金融取引を行う仕組みであり、ブロックチェーン上に構築された分散型金融システムです。
- DEX(分散型取引所):証券会社や仮想通貨取引所を介さずに、ユーザー同士で暗号資産(仮想通貨)を取引ができる
- レンディングプラットフォーム:レンディング(貸付)をおこなう銀行などを排除して、スマートコントラクトによってレンディングができる
Ethereum(ETH)の今後
デジタルアートなど、今流行のNFT(Non Fungible Token)の多くはイーサリアム(ETH)基盤の「ERC-721」という規格を用いてつくられているため、NFTと合わせてイーサリアム(ETH)にも高い注目があります。
最後に
画期的な仕様でブロックチェーン の中でも人気なイーサリアム(ETH)ですが、イーサリアム(ETH)に倣って後発のもっと性能の良いブロックチェーンや暗号資産(仮想通貨)が誕生しています。22年も大型なアップデートが控えていますが、時価総額ランキング2位のイーサリアム(ETH)のこれからに期待です!